【950登録】ハイエースの牽引能力は?|登録方法も合わせてご紹介します
キャンプなどのアウトドアやジェットスキーなどのマリンスポーツを行う場合は、自動車の後ろにトレーラーを取り付け牽引を行う必要があります。
トレーラーを牽引するには、車両側にヒッチメンバーと呼ばれる牽引装置がついていればどんな車両でもトレーラーを牽引することが可能だと思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、実際は牽引できるトレーラーの総重量は車両総重量計算書で確認する必要があります。
また、牽引装置側であるヒッチメンバーにも牽引できる最大重量も決まっておりそれぞれの要件を満たす条件で牽引を行う必要があります。
今回は、トレーラーを牽引するために必要なさまざまな要件や仕様について解説し、実際の牽引登録の違いなども合わせてご紹介します。
自家用車でさまざまな遊びをするために、トレーラーを牽引したい方はぜひチェックしてみてください。
Contents
牽引能力を知るには車両総重量計算書が必要!
牽引能力を正確に知るには、車両総重量計算書が非常に重要です。
車両総重量計算書は、車両の総重量や車両の前後重量配分など、さまざまな重要情報を元に計算します。
また、車両の牽引能力はエンジン出力やトランスミッションの種類にも影響を受けますが、特に牽引する対象の重量が重要です。
トレーラーを行うことで、牽引される側の車両へは通常の設計とは異なる力が加わることになります。
そのため、しっかりと計算した上で牽引を行わなければ重大な事故に発展する可能性があります。
事前にメーカーより諸元表を入手する
事前にメーカーより、車両に関する諸元表や仕様書を入手することで車両総重量計算書を作成することができます。
諸元票には、「車両の重量」「エンジンの出力」「トランスミッションの仕様」「車両の最大積載量」などの情報が含まれております。
車検証より情報を入手する
車検証には、車両に関する基本的な情報が記載されていますが、詳細な車両の性能や牽引能力を求めるのに必要な情報は車検証だけでは不足しています。
車検証に記載されている情報は以下の通りです。
・車両の登録情報:車両の所有者、登録日、車両の識別情報など
・車両の車種/形式:車両メーカー、モデル、車型など
・車両の車体番号(車両の識別番号VIN):車両の一意な識別番号
・エンジンの種類や排気量:エンジンの基本的情報
諸元表や車検証だけで不足する情報は、メーカーに直接問い合わせ公式な情報を入手する必要があります。
事前に確認しておくことをおすすめします。
ヒッチメンバーの牽引能力を示す牽引クラスとは?
牽引能力を示す指標として、車両側の能力だけでなくヒッチナンバー(牽引装置)の耐久度も影響を与えます。
ヒッチメンバーの牽引能力を示す、「牽引クラス」にはカテゴリー分けされておりそれぞれの仕様に適合するように設計・製造が行われています。
以下に、具体的な牽引能力についてご紹介します。
所有しているハイエースがどれに該当しているか確認する際の、参考にしてみてください。
牽引クラス | 最大牽引トレーラー総重量 | ヒッチボールに掛かる最大垂直静荷重 |
class A | 500kg | 75kg |
class B | 550kg | 75kg |
class C | 750kg | 75kg |
class E | 2000kg | 200kg |
class SP | 車両により異なる | 車両により異なる |
ハイエースの牽引登録方法と牽引に必要な書類
ハイエースで牽引を行うには車両の牽引登録を知り、それに耐えるヒッチメンバーを装着するだけでは、キャンピングカーやモーターボートなどの牽引を行うことはできません。
法的にも牽引を可能にするために、車検証に牽引が可能である趣旨を記載する「牽引登録」を行う必要があります。
車検証へ登録する方法としては、「950登録」と「型式追加」という2種類の方法があり、それぞれのメリット・デメリットが存在します。
それぞれの登録には、上記でご説明した車両総重量計算書などの書類も必要であるため事前に準備するようにしましょう。
950登録
初めに、950登録についてご紹介します。
950登録とは、牽引する車両側(エンジンが搭載された自動車側)の車検証において、牽引可能なトレーラーの車両総重量を定義する登録方法です。
この方式であれば、牽引するトレーラーが変更してもさまざまな牽引を行うことが可能です。
牽引可能な重量の上限がある
950登録では、どんなに牽引能力が優れている車両でも牽引できる重量には上限があります。
トレーラーの総重量(車両重量+最大積載量)以下のものは上限値に当たるので注意しましょう。
慣性ブレーキ付きのトレーラー | 1990kg |
慣性ブレーキ無しのトレーラー | 750kg |
もちろん、登録上の上限値というだけで車両側の牽引能力やヒッチメンバー側にその能力が無ければ、牽引を行うことができないので注意しましょう。
リース契約やローンで購入した自動車(所有権留保)でも登録可能
所有権留保とは、特定の取引や契約において取引の条件や支払いの完了まで売り手が車両に関する所有権を引き続き保持することを指します。
リース契約やローン購入時によくある所有権限です。
そうした、所有権留保の状態でも牽引登録を行うことが可能です。
型式追加
次に、型式追加による牽引登録について解説します。
型式追加は、従来の登録方式でトレーラー側(牽引されるエンジンのついていない側)の車検証に牽引する車両(エンジン付きの車両)の型式や車体番号を登録する方法を指します。
この場合は、トレーラーと車両がついで存在する状態の場合のみ牽引が許可されることになるため、さまざまな車両で牽引を行いたい場合や複数人でトレーラーを共有する場合には不向きの登録方法となります。
連結検討書
「連結検討書」とは、牽引車両とトレーラーを連結する際に、適切な条件や基準を検討し安全な牽引を行うための文章のことを指します。
特に、大型車両や特殊な牽引状況で重要となる書類であり、牽引を行うドライバーや運送業者が検討事項を整理し安全性を確保するために利用される書類です。
通常とは異なる牽引方法を検討する場合には注意しましょう。
車両総重量750kgを超えるトレーラーは牽引免許が必要
普通自動車免許で牽引できるトレーラーの車両総重量は750kgまでとなっており、それ以上の重さの牽引を行うには、「中型自動車運転免許証」が必要となります。
車両の性能やトレーラーが要件を満たしていても所持する免許証によっても牽引能力の制限が設けられるので注意が必要です。
まとめ
今回は、ハイエース牽引を行う際に必要な最大牽引能力を知る方法などのご紹介をしました。
ハイエースでトレーラーを牽引するには、車両側にヒッチメンバーと呼ばれる牽引装置がついていることはもちろんですが、「車両側の牽引能力」「ヒッチメンバー側の牽引能力」「運転免許証による牽引能力」の3要素で決定されます。
また、牽引能力が満たしていたとしても車検証に牽引可能という趣旨を記載しなければ法律的に牽引が行えない場合も存在します。
こちらに関しては、「950登録」と「型式追加」の2種類がありますので、それぞれの特徴を理解した上で選択するようにしましょう。
ハイエースでのトレーラーの牽引には、自動車の設計外の能力が加わるため、特にブレーキなどが要件を満たさない場合が多々あります。
最悪の場合は、重大な事故にも発展する可能性がある重要な内容であるため、しっかりと検討した上で牽引を行うようにしましょう。