ローンが残っている車でも売れる!残債額によって変わる売り方を3ステップで解説
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車を買う際に、マイカーローンや残クレ(残価設定型クレジット)を利用する方は多いと思います。
しかし、まだローンが残っている(ローン残債がある)状態で諸事情により車を売りたいとなった場合
「ローンが残っている車を売ることってできる?」
「できるとしたらどんな手続き・書類が必要なの?」
「乗り替えの際にローンを再度組むことはできるの?」
など、悩んでしまうものでしょう。特に車は高額な買い物ですから、ローンがどういう扱いになるかは心配の種だと思います。
結論からいうと、ローンが残っている車でも売ることはできます。ただ、所有者名義が誰になっているか(車の名義人)・売却額がローン残債を上回るかどうかなどによって、売り方や手続きが変わってきます。
ローン残債がある車を売ることは決して難しくはありませんが、通常の売却よりも準備と手続きが必要です。事前に十分な情報収集と準備を行うことで、スムーズな売却が可能となりますよ。
この記事では、ローン残債のある車を売る具体的な方法や必要書類、また車を高く売ってローン返済に効率的にあてるコツもお伝えします。
Contents
ローンが残っている車や残クレ途中の車でも売ることはできる
前提として、下記の3つが満たされていれば、ローンが残っている車でも売ることはできます。
車を買う際にローンを申込むのはごく普通のことであるため、売る際にローンがまだ残っている、というのは決して珍しくありません。
そのため、車を買い取ってくれる買取業者の方でも、ローン返済のための手続き代行などのサポートを提供していることが多くあります。
売ることはできても「ローン残債」はなくならない
注意点として、車を売って手放したらローン残債がなくなる/ローンの返済は不要になる、ということはありません。売る際にはローン残債を一括返済する必要があり、売却額として入るお金もその返済に充てる、という手続きが基本になります。
売却額が残債を上回れば差額は自分のものになりますが、売却額がローンの残債を下回った場合は差額を支払う必要があるため、ローン残債はどちらにせよ返済する必要があることを覚えておいてください。
残クレ(残価設定型クレジット/ローン)の注意点
※引用:定額カルモくん
マイカーローン(自動車ローン)以外のローン商品として、残クレ(残価設定型クレジット/ローン)があります。
残価設定型クレジットは、契約満了時の想定下取り価格を「残価」として設定し、残価を除いた残額を契約月数で割って返済する仕組みのローンです。差し引かれた残価は最終回の返済に据え置かれます。
残価設定型クレジットの場合も、残債と車の残価を一括返済することなどで売却が可能です。
どちらのケースでも、残債を返済する/買取代金で清算することが必要になり、手放すだけで残債がなくなるわけではありません。
それでは具体的に、ローン残債のある車を売る手続きについて解説していきます。車の所有者やローン残債の金額によって必要な手続きや売り方が変わってきますので、下記ステップに分けてお伝えします。
1.車検証で所有者の確認をする
まず、車の所有者を確認しましょう。車検証の「所有者欄」を確認すれば車の所有者(名義人)が分かります。自動車ローンやディーラーローン、残クレを組んだ場合、所有者はローン会社やディーラー、信販会社になっていることがほとんどです。車両がローン返済が滞った場合の担保になっているため、ローン完済まで所有者は原則変更できません。
それに対し、銀行などの金融機関で組んだローンの場合は、自分が所有者になっていることが一般的です。
所有者が自分の場合(自由に売れる)
所有者が自分である場合は、契約書に「ローン会社が所有権を留保する」などの記載がないか確認してください。このような記載がある場合、所有者が自分でも、車がローンの担保になっていることを示します。
そのため、ローン完済までは車を自由に売ることができず、所有者が他人の場合と同様の手続きになります。
所有者が自分かつ所有権留保もない場合は、自由に車を売ることができます。今まで通りの返済を続けても、車を売ったお金で一括返済しても、どちらでも問題ありません。
所有者が他人の場合(勝手に売却できない)
所有者がディーラーなど他人名義の場合、勝手に売ることはできません。その場合、車の売り方は下記の2通りになります。主に一括返済・所有者の変更を自分で行うか、売却先に代行してもらうかの違いがあります。
残債分を自分で工面できる場合はパターン①も可能ですが、一括返済分を用意するのが厳しい場合や返済や名義変更手続きが自分では難しいということもあるでしょう。そのため、パターン②の売却先業者に代行してもらうのが一般的なケースといえます。
その場合、売却額がローン残債を上回るかどうかが重要になってきますので、引き続きご覧ください。
2.ローン残債額を確認する
車の査定額や残債額によって、買取額とローン残債はどちらが上回ることもありえます。考えられるのは以下の3つのパターンです。
買取額がローン残債を上回る場合
車買取額がローン残債を上回る場合、売る人にとっては一番望ましい結果といってよいでしょう。
車買取業者やディーラーは、車買取額からローンを一括返済しますので、その差額は車を売った人に支払われます。例えば下記のようにローン残債が90万で、買取額が120万だった場合、車の名義が買取業者に変更されたのち、差額の30万円を受け取ることができます。
この状態を目指すためには、車をいかに高く売るかが重要になってきます。後述の「残債を完済するために最高査定額を引き出すなら複数社比較がおすすめ」で詳しく解説しています。
買取額がローン残債と同額の場合
基本的にぴったり同じ金額になることは珍しいですが、もし買取額とローン残債が同額だった場合、一括返済で清算されるため、ローンは完済できますが手元にお金は残りません。
買取額がローン残債を下回る場合
査定額がローン残債を下回ってしまった場合、買取額だけではローン残債が返済できません。そのため、売る人が不足分を用意し、買取業者に支払う必要があります。
下記のようにローン残債が150万あり、買取額が100万だった場合、差額の50万円を買取業者に支払うことでローンが完済され、車の名義は買取業者に変更されます。
自分で不足分を用意できない場合の手段
「買取額がローン残債を下回っている」かつ「不足分を一括では工面できない」という場合もあるでしょう。その場合は残念ですが、原則車を売ることはできません。
ただ、車買取業者やディーラーが提供しているローンには、車買取業者やディーラーが不足分を一旦立て替えて返済(代位弁済)した上で、次の車のローンに上乗せするものもあります。
これらは、ローン残債を一括返済はできないけれど、車を買い替えたい人への救済商品となります。しかし、基本的には2つの債務をまとめることで月々の返済がより苦しくなるため、おすすめはしていません。
以下で不足分の金額を用意できない場合に利用できる金融商品を紹介します。
金融商品 | 特徴 | サービス提供者 |
---|---|---|
新車買い替えローン | ・新車ディーラーが提供する買い替えローン ・残債分を新車のローンに上乗せする仕組み ・金利が通常の自動車ローンより高いため要注意 ・残債分が新車のローンに上乗せされるため、月々の返済負担が増加する |
新車ディーラー |
中古車買い替えローン | ・車買取業者が提供する買い替えローン ・残債分を車買取業者か提携クレジットカード会社が立て替えて返済(代位弁済) ・代位弁済分が購入する車のローンに上乗せされる仕組み ・新車と同じく残債分が次に乗る車のローンに上乗せされるため、月々の返済負担が増加する |
一部の大手車買取業者(ガリバー・カーチス) |
オリコのツインリセットオートローン | ・新たに購入する車の代金と下取車の残債を1つのローン契約に組替える ・新車・車買取業者の買い替えローンが利用できない場合の選択肢 |
オリコ |
3.必要書類を準備する
先ほどの「車の所有者を確認する」のステップで、車の名義人を確認できたと思います。売却の際の必要書類は、車の所有者が誰なのかによって変わりますので、下記詳しく解説します。
所有者名義が自分の場合
銀行などで自動車ローンを組んでいる場合など、所有者が自分名義になっており、信販会社による所有権留保もない場合、他人名義と比べてスムーズに売却ができます。
必要書類は以下のとおりです。
準備するもの | 普通自動車 | 軽自動車 |
---|---|---|
車検証 | 〇 | 〇 |
自賠責保険証明書 | 〇 | 〇 |
自動車リサイクル券 | 〇 | 〇 |
印鑑登録証明書 | 〇 | – |
自動車税納税証明書 | 〇 | – |
軽自動車税納税証明書 | – | 〇 |
実印 | 〇 | – |
認印 | – | 〇 |
所有者名義が他人(ローン会社やディーラー)の場合
所有者がローン会社やディーラーの場合、車買取業者と所有者との間で契約手続きが発生するため、車を売る人が対応することは特にありません。
ただ、車を売る際には「所有権解除」が必要になります。所有権がローン会社やディーラーに留保されている状態ではスムーズな売却が困難になるため、売却前に所有権解除をおこなうのが基本です。
その「所有権解除」手続きを買取業者の指示にしたがっておこなう場合もありますので、下記必要書類を押さえておきましょう。
所有権解除依頼書は、所有者となっているローン会社やディーラーがテンプレートを用意していることがあります。所有権解除をしたい旨を各社に問い合わせてみてください。
残債を完済するために最高査定額を引き出すなら複数社比較がおすすめ
ローンが残っている車を売るなら「残債を完済してなお、手元にお金が残るようにする」のが理想だと思います。
そのためには、乗っている車を最高額で売れるところを探さなければなりません。
高額買取のコツで重要なのは「1社だけでなく、複数の買取店に査定を依頼し、比較する」ことです。それは以下のような理由によります。
でも、近隣にある複数の車買取店を探して、査定を申込むのは大変面倒ですよね。その手間がカンタンに省けるものとして、「車一括査定」のサービスを利用するのがおすすめです。
車一括査定を利用すれば、カンタンに査定額を比較できる
車一括査定は、複数の買取業者に査定依頼を一括でおこなえるサービスのことです。車一括査定サイトから車両情報(車種・グレード・年式・走行距離など)、氏名や連絡先を入力し送信することで、買取業者にあなたの車の査定依頼が届きます。
車一括査定のメリットは大きく2つ。
特に「車が最高額で売れる」可能性が高まるというのは大きなメリット。前述のように、車買取店1社だけへの査定依頼では、足元を見られてしまい、最高額を引き出すことがむずかしくなります。
それが競争が発生するとなると
- 「ライバルの〇社は〇〇〇万円を付けているようだ」
- 「でもこの車両は在庫としてぜひほしい」
- 「では(より高額の)〇〇〇万円でいかがでしょうか?」
という展開が生まれ、疑似的なオークション状態によって最高額を引き出せる可能性が上がります。
また、車買取店にも車種の得意・不得意がありえるため、複数の車買取店に査定してもらった方が、あなたの車により高値をつけてくれる業者に出会いやすくなるのです。
ちなみに4社の査定額です。 名刺の裏に金額を書いてもらい、各社から別々に私が受け取って、せーので裏返して査定額を見ました笑
ビッグモーターが1番でしたが、後から減額するな、したら他で売ると念押ししました。 pic.twitter.com/RJvCFfJCcA — りーさん🐲 (@RO_HONE) April 24, 2023
🚗のはようごさいます🚙
一括査定、3社同時に来てもらって入札形式と言うのを試してみた! 次の車を買うお店下取り査定してもらった額は110万だったので、下限を110万に設定して入札してもらった結果は… 131.4万🎉🥳この数字が出るとは意外だったけど、高ければ高い方がいい!#ネクステージ https://t.co/3wfewa43xz pic.twitter.com/3b8YlXPopb — 名倉☆小6🧒&小3👶の息子がいます👪 (@tana_car9) September 7, 2022
当サイトおすすめの車一括査定は以下のとおりです。
車一括査定のデメリットは「電話ラッシュ」
お手軽に複数社に査定依頼ができて、高額買取につなげられる車一括査定ですが、デメリットも存在します。それは査定依頼後の「電話ラッシュ」です。
車一括査定では、複数の買取業者に査定依頼が届く都合上、業者間で「利用者との連絡は早いもの勝ち」という状況になります。
正確な査定額を算出して買取るには実車査定をする必要があり、連絡を取るのが他社より遅れた場合、そもそも電話に出てもらえない・実車査定の予定がもう埋まってしまったという機会損失になるわけです。そのためシステム化して査定依頼が届いたら自動的に電話をかけるようにしている買取業者もあるほど。
冗談でなく「査定依頼から1~2分後」には一斉に買取業者から電話がかかってくる、ということが起こり、着信履歴に驚くとともに、迷惑に感じる方も多いのが実情です。
しかし安心してください。このデメリットは車一括査定側も把握しており、解消するために新しいサービスや便利なシステムが生まれてきています。デメリットの解決方法を、おすすめ車一括査定の特徴と共に解説します。
解決法(1)業者絞り込みができるサービスを選ぶ
解決方法の1つめは、業者絞り込みができる車一括査定を選ぶことです。例えばカーセンサーは、査定申込時に対象業者のチェックを入れる・外すことで、買取業者を絞り込むことができます。
カーセンサーでは最大30社に同時依頼ができるため、その中から先ほど紹介したおすすめ車買取店ランキングを参考に、業者を選択してみましょう。※地域によって車買取店が対応していない可能性があります。
車買取のおすすめや古い車の買取については下記記事で詳しく解説しています。
またMOTAでは、違ったアプローチで利用者が電話に悩まされないように業者の絞り込みをおこなってくれます。
MOTAは車一括査定と後述のオークション形式を組み合わせたサービスです。申込みをすると、最大20社が車両情報から概算査定額をオンラインで入力、最短で当日の18時(14時59分までの申し込み)に概算査定額が確認できます。
その中から概算査定額上位3社のみが、利用者と直接電話連絡ができる仕組みになっています。業者を選んで絞り込むことはできませんが、高額査定額を提示した業者3社のみとの電話連絡であれば、許容できるという人も多いのではないでしょうか。
実際、この上位3社のみというMOTAの特徴は利用者から高評価される大きなポイントになっています。
昔は売却時に何十社からも電話が鳴り止まなかったですが、これは良いシステムですね。また利用すること間違いなしです。
余計な営業の電話もなく、上位3社に絞って査定ができるので無駄がなく、価格も納得いくものでした。 また査定する機会がありましたらまた利用しようと思います。
通常の一括査定サイトよりも、しつこい電話連絡がなく、査定額の高いところをピックアップしてくれるシステムはとても良いと感じました。また利用する機会があれば利用したいと思います。
※引用:MOTA公式ウェブサイト
人気の車一括査定における、業者絞り込み機能の有無は下記の通りです。
車一括査定 | 買取業者を絞り込み可能 | 特徴 |
---|---|---|
カーセンサー | 〇 | 自分で買取業者を選択できる |
MOTA | 〇 | 直接連絡は入札上位3社に絞られる |
ズバット車買取 | 〇 | 自分で買取業者を選択できる |
ユーカーパック | △ | オークション形式のため営業電話なし |
楽天Car車買取 | △ | オークション形式のため営業電話なし |
カービュー | 〇 | 自分で買取業者を選択できる |
ナビクル | × |
解決法(2)オークション形式が利用できるサービスを選ぶ
もう1つの解決方法として、オークション形式が利用できるサービスを選ぶのもおすすめです。
オークション形式は、前述の車一括査定とは異なり、申込んだ車両情報を元に、買取業者が入札していく仕組みです。連絡窓口はオークション運営する会社のみとなるため、買取業者からの営業電話や交渉は一切ありません。
カーセンサーは、通常の車一括査定とオークション形式、どちらも選べるようになっています。
一方で、オークション形式では買取業者との直接交渉ができないため、通常の車一括査定に比べると買取額が低くなる傾向がある点に注意が必要です。
車一括査定 | オークション形式を利用可能 | 特徴 |
---|---|---|
カーセンサー | 〇 | ユーカーパックのオークション機能を利用 |
MOTA | △ | 車一括査定とオークション形式の組み合わせ |
ズバット車買取 | × | |
ユーカーパック | 〇 | 通常の車一括査定は利用不可 |
楽天Car車買取 | 〇 | 通常の車一括査定は利用不可 |
カービュー | × | |
ナビクル | × |
買取業者からの営業電話はできるだけ減らしたい、でも高額買取してほしいという方は、先ほど紹介したMOTAがおすすめです。MOTAは車一括査定とオークション形式のいいとこ取りのサービスと言ってもよいもので、事前にオンライン上で概算査定額を業者が入札し、上位3社のみが利用者と直接交渉できます。
電話ラッシュを防止した上で、買取業者と直接交渉し最高額を目指すことができるのが画期的なシステムといえますね。
車一括査定のおすすめについては下記記事で詳しく解説しています。
【2024年最新】車一括査定はどれも同じ?おすすめランキング徹底比較と利用のコツ