キャラバンの乗り心地って悪い?改善方法やハイエースとの比較を紹介
キャラバンは広い室内空間と高い積載能力で人気ですが、乗り心地に不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
「揺れが気になる」「長時間運転が疲れる」という口コミを見て、購入を迷っている方も多いはずです。
本記事では、キャラバンの乗り心地が悪いと感じる理由を掘り下げ、具体的な改善方法を紹介します。
また、ハイエースとの乗り心地の違いを比較し、どちらが最適かも解説します。
キャラバンの乗り心地について知りたいと思う方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
キャラバンってどんな車?タイプ別の乗り心地
タイプ | バン・ワゴン・マイクロバス |
グレード | バン:DX、EX、GX、プレミアムGX、GRAND プレミアムGX
ワゴン:DX、EX、GX マイクロバス:GX |
乗車人数 | バン:3〜9人
ワゴン:10人 マイクロバス:14人 |
駆動方式 | 2WD・4WD |
燃料 | ガソリン・ディーゼル |
外装寸法
(全長×幅×高さmm) |
全長:4,695〜5,230
全幅:1,695〜1,880 高さ:1,990〜2,285 |
キャラバンは、エンジンの真上に運転席がある「キャブオーバー型」と呼ばれるタイプの車です。
荷室が大きく積載力に優れているという特徴を持っており、運転席もしくは3列目以降が荷室として利用できます。
タイプは、3種類あり商用車として利用されることの多いバン、乗用車として利用されることの多いワゴン、そしてより多くの乗車が可能なマイクロバスがあります。
キャラバンのスペックと特徴
キャラバンは、1973年に販売されてから数回マイナーチェンジを繰り返し、現在は5代目モデルが現行となっています。
キャラバンの現行モデルの特徴は、大きく分けて3つです。
それぞれの特徴を詳しく解説します。
力強さを感じさせるデザイン
キャラバンの特徴の1つ目が、力強さを感じさせるデザインです。
車体サイズが大きいのはもちろんですが、エクステリアに迫力のあるデザインを施しています。
前面にはVモーションのグリルとバンパーを取り入れ、ボディカラーには全部で8種類の色を採用。
これにより、力強い存在感と洗練された印象を与えてくれます。
使い勝手の良い広々とした車内
キャラバンの乗車人数は、バンで3〜9人、ワゴンで10人、マイクロバスで14人です。
一般的な普通乗用車であれば後部座席が狭いことがありますが、キャラバンは室内サイズも広々としているので、乗り心地も期待ができます。
また、一部のグレードでは、後部座席のアレンジができるようになっており、積載量も非常に高いです。
荷室開口部も1,370mmあるので、大きな荷物を載せたい人にもおすすめと言えるでしょう。
最新の安全技術を装備
キャラバンは元々商用車用に作られていたため、安全性能や乗り心地には期待できませんでした。
しかし、現行モデルは「全方位運転支援システム」が搭載されており、安全技術が格段に上がっています。
たとえば、前方車や歩行者を感知しながら衝突を回避できる「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」や、踏み間違い時に衝突を防止してくれる「踏み間違い衝突防止アシスト」などが取り入れられています。
そのほかにも多数の安全技術が取り入れられており、安心して乗れる車へと進化しています。
バンとワゴンの乗り心地の違い
キャラバンのバンとワゴン、それぞれの乗り心地の違いは何でしょうか。
バンとワゴンでは、そもそも開発時に想定していた使用方法が異なります。
バンは、主に大量の荷物を載せられるように開発された車で、重い荷物にも耐えられるように足回りが固めに調整されています。
反対にワゴンは、乗用車仕様で設計されています。
どちらかといえば、乗用向けに設計されており、快適さを重視して足回りが柔らかめに調整されています。
つまり、バンは路面の衝撃が伝わりやすく、ワゴンは段差でもやわらかな走行感が特徴です。
2WDと4WDの乗り心地の違い
キャラバンの駆動方式には、2WDと4WDがありますが、こちらも乗り心地に少し違いがあります。
2つの異なる点は、重量です。
2WDは、4つのタイヤがある中で後方のタイヤ2つにエンジンの力を加えて走行します。
このときエンジンの力は、タイヤ2つにしか加えられないので、荒れた道や泥の多い路面、そして雪が積もっている道などでは、走行しにくくなっています。
また、高速道路などの直線が続く道でも、軽い分、安定性がない乗り心地に感じるでしょう。
一方、4WDは4つのタイヤすべてにエンジンの力を加えて走行します。
4つのタイヤすべて使用する分、パーツも多くなり、重量もそれだけ増えるので、安定性は4WDの方が高いです。
また、重量があることに加えて、4つのタイヤ周りに付けられているサスペンションも働きやすくなるため、振動も感じにくくなります。
このように、2WDと4WDを比較すると4WDの方が乗り心地が良いと言えます。
マイナーチェンジで乗り心地向上
現行のキャラバンは、2021年と2022年にマイナーモデルチェンジを実施しています。
その際、新シートを採用し乗り心地も向上しています。
たとえば、運転席には胸郭と骨盤をしっかり支えてくれる「スパイナルサポート機能付きシート」を採用し、長距離のドライブでも疲労を軽くしてくれます。
また、後部座席は「ベンチシートタイプ」と「キャプテンシートタイプ」から選べるようになっており、シーンに合わせた選択が可能です。
キャラバンの乗り心地が悪いと言われる理由
キャラバンの乗り心地を調査していると、「キャラバン乗り心地悪い」「キャラバン乗り心地改善」などのキーワードが出てきます。
それは一体なぜなのでしょうか。
ここでは、キャラバンの乗り心地が悪いと言われる理由を、バンとワゴン、そして両方に当てはまる理由に分けて紹介していきます。
バンは足回りが硬い
バンは商用車として開発されているので、足回りが固めに調整されています。
具体的には、車全体を支える役割や衝撃を吸収する役割のある「サスペンション」や「リーフスプリング」が固めに調整されています。
理由は、バンは重い荷物を載せるために開発されており、足回りのパーツが柔らかいと、荷物の重量に耐えられなくなるからです。
そのため、凹凸や段差で跳ねてしまう「突き上げ」が起こってしまうのです。
ワゴンは足回りが柔らかい
ワゴンは、バンとは反対に柔らかい足回りとなっています。
人が乗るための乗用車として開発されているので、「サスペンション」や「リーフスプリング」は柔らかめの設計です。
また、ワゴンには「ヘルパーリーフ」と呼ばれる、リーフスプリングに取り付ける補強用の板バネパーツが装着されていません。
その結果、衝撃は吸収しやすいものの、小さな段差でも車体が上下に揺れやすくなります。
これを「縦揺れ」や「ふわふわ感」と呼び、特に高速道路など直線が続くような道で起こります。
車高が高いゆえに起こる乗り心地の悪さ
キャラバンは通常の乗用車と異なり、車高が高い車です。
そのため、風の影響を受けやすく、横風を受けると「横揺れやふらつき」が起こってしまいます。
また、カーブを曲がるときにも「横揺れやふらつき」が起こります。
これは、片方のタイヤに過剰な荷重がかかることで発生する『ロール』と呼ばれる力が原因となる現象です。
キャラバンは、一般的な乗用車に比べてロール抑制機能が弱いため、車体の揺れが大きくなりやすいのです。
キャラバンとハイエースの乗り心地の違い
キャラバンのライバル車として1番に上げられるのがハイエースだと思います。
キャラバンが気になる方は、同時にハイエースのことも調べているのではないでしょうか。
そこで、ここでは2つの車の乗り心地の違いを紹介します。
乗り心地はそこまで変わらない
先に結論から伝えると、キャラバンとハイエースの乗り心地は、そこまで変わりません。
まず、足回りですが、ほとんど一緒です。
キャラバンとハイエースは、見た目や大きさが似ていることもあり、足回りのパーツは大きく変わりません。
しかし、燃費に関してはキャラバンの方が優れており、エンジンはハイエースの方が優れています。
キャラバンとハイエースを比べるユーザーの中には、「乗り心地に関してはほとんど変わらない」と言っている方もいて、ほかの理由で比較する方の方が多いようです。
2WDならキャラバンのほうが上手
駆動方式で比較すると、2WDのキャラバンの方が優れています。
ハイエースのスーパーGLとキャラバンのGRANDプレミアムGX(両方2WD)のシートは、GRANDプレミアムGXの方が柔らかく設計されています。
ハイエースの弱点とも言えるのが、シートでどのタイプも硬めに設計されているので、長時間の運転は疲れやすいです。
そのため、2WDで比較するとキャラバンの方が上手と言えるでしょう。
シートはキャラバンの方が優れてる
キャラバンには、スパイナルサポート機能付きシートが採用されています。
スパイナルサポート機能とは、胸郭と骨盤をしっかり支えてくれる機能で、長時間のドライブの疲労を軽減してくれます。
また、ハイエースでは選択できないシートヒーターがオプションで付けられる点もメリットの1つです。
シートヒーターが付いていることで、寒い時期でも快適にドライブすることができます。
さらに、キャラバンの2列目以降のシートは、ベンチシートタイプとキャプテンシートタイプから選択可能です。
乗用人数や個人の快適さから選択できるところは、キャラバンの方が優秀と言えるでしょう。
キャラバンの乗り心地を改善する方法
ハイエースよりも乗り心地が良いと言えるキャラバンですが、それでも一般的には乗り心地が悪いと言われています。
そこで、ここではキャラバンの乗り心地を改善する方法を紹介します。
「リーフスプリング」を入れ替える
キャラバンの乗り心地が悪い1つに、リーフスプリングが硬すぎる、もしくは柔らかすぎるとお伝えしました。
そこで、リーフスプリングを入れ替えるのが有効です。
ポイントとしては、バランスの取れたものを選ぶことが重要です。
バンは、強度を上げるために固めに調整されているので、柔らかすぎると強度が足りなくなります。
一方、ワゴンは、元々装備されてあるスプリングが柔らかいゆえに「ふわふわ感」が起こってしまうため、純正よりも硬いスプリングに入れ替えるのが有効です。
そのため、バンでもワゴンでも、適切な硬さがあるリーフスプリングに入れ替えるのがおすすめです。
「スタビライザー」を入れ替える
横揺れやふらつきの改善には、「スタビライザー」を入れ替えるのが有効です。
スタビライザーとは、車の左右のサスペンション同士をつなぐ、走行を安定させるためのパーツです。
キャラバンに取り付けられている純正のスタビライザーは、前方にしか取り付けられていません。
また、耐久性が高いとも言えません。
スタビライザーを入れ替えるポイントとしては、純正品よりも強度のある太い専用スタビライザーに取り換えることと、フロントとリア両方を入れ替えることです。
一方だけ入れ替えると、アンバランスになってしまい、かえって乗り心地が悪くなってしまいます。
したがって、より強度の高いスタビライザーを、フロントとリアのバランスを考えて入れ替えするのが良いでしょう。
「バンプラバー」を入れ替える
バンプラバーとは、車のサスペンションに取り付けられているゴム製のクッションです。
サスペンションが縮みすぎたときに、車体やサスペンション部品が直接ぶつかるのを防ぎ、衝撃を吸収して乗り心地を向上させてくれます。
バンプラバーを入れ替えるときのポイントとしては、大容量ソフトバンプラバーにすることです。
大容量のバンプラバーであれば、より衝撃を吸収してくれるので、凹凸や段差がある場所でも安定した走行が可能となります。
一方、大容量ソフトバンプラバーにはデメリットもあります。
大容量ソフトバンプラバーは、あくまで車高が標準となっている前提で使用できるパーツです。
特にローダウンしている車に取り付けると、車軸を保護する役割があるホーシングとバンプラバーの距離が近すぎるため、一部カットしなければなりません。
カットすると、それだけ衝撃吸収性が落ちてしまうので、車高を変えている車には有効と言えません。
【その他】キャラバンの乗り心地を改善できるカスタムメニュー
ここからは、キャラバンの乗り心地を改善できるカスタマイズ方法を紹介します。
「ショックアブソーバー」を取り付ける
ショックアブソーバーとは、地面からの衝撃を吸収してくれるパーツです。
ショックアブソーバーを取り付けるポイントは、減衰力と剛性のバランスがとれたものを選ぶことです。
減衰力が高すぎるショックアブソーバーを取り付けると、バネの押さが過剰となるため、元の状態に戻りづらくなります。
こなってしまうと、次の段差で急激にバネが戻ろうとして、逆に強い衝撃を受けることになります。
「シャックル」を入れ替える
シャックルは、スプリングの伸縮を吸収してくれるパーツです。
シャックルを入れ替えることで、スプリングやサスペンションの動きがスムーズになり、乗り心地や走行性能が向上します。
また、リーフスプリングを入れ替えるよりもお得に乗り心地改善できるので、費用をかけたくない方は検討しましょう。
「タイヤやホイール」を取り替える
乗り心地は、タイヤやホイールを取り替えることでも向上できます。
硬さやサイズといった種類は豊富にあるので、わからない方は専門の業者に相談すると良いでしょう。
「シート」を入れ替える
キャラバンのシートは、ハイエースよりもクッション性があり、乗り心地も優れています。
しかし、より高品質なシートであれば、さらに乗り心地の改善が期待できるでしょう。
最近では、キャラバン専用のシートも販売されているので、気になる方は調べてみることをおすすめします。
キャラバンの乗り心地を改善するためのメンテナンスポイント
キャラバンの乗り心地を改善するには、パーツや装備品を入れ替えるだけではありません。
日々のメンテナンスによっても乗り心地改善が期待できます。
タイヤの点検
日々のメンテナンスポイントの1つ目が、タイヤの点検です。
タイヤは、すり減りや空気圧により乗り心地が変わってきます。
走行中の違和感を感じる前に、取り替えることをおすすめします。
サスペンションや車高をチェック
2つ目が、サスペンションや車高をチェックすることです。
一般的に車は、車高が低いと乗り心地が悪くなると言われています。
また、サスペンションも劣化してくると、車体が傾くなどして乗り心地が悪化します。
こちらも定期的にチェックし、必要であればパーツを入れ替えしましょう。
キャラバンの価格相場
最後にキャラバンの価格相場を、新車と中古車に分けて紹介します。
日産キャラバンの新車と中古車の相場
【新車】
バン | 258〜667.9万円 |
ワゴン | 326.3〜424.7万円 |
参考:「日産 キャラバン」
【中古車】
バン・ワゴン | 229.8〜479.8万円 |
コスパを押さえたいなら中古車がおすすめ
キャラバンの新車価格と中古車価格は、そこまで大きく変わりません。
しかし、キャラバンの中古車は、豊富な装備が取り付けられている価格です。
新車を選んで欲しいパーツを取り付けるよりも、初めから取り付けられている車の方が、断然お得です。
車によっては、キャンプや車中泊で活躍できるパーツがすでに取り付けられている場合もあるため、中古車の方がシーンに合わせた車を選べるでしょう。
まとめ
本記事では、キャラバンの乗り心地について詳しく紹介し、改善方法やハイエースとの比較についても解説しました。
キャラバンは多用途に使える車として人気がありますが、乗り心地に関しては改善の余地があると言われることもあります。
この記事で触れたポイントを参考に、キャラバンの快適性を向上させるためのカスタマイズやメンテナンスを検討してみてください。