ハイエースとキャラバンの特徴と違いを徹底解説!
乗用車や商用車として活躍するハイエースのライバル車には、日産のキャラバンがあげられます。
両車共同じワンボックスタイプの車両で、大きさや性能も非常によく似ているため、どちらにしようか決めかねている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ハイエースとキャラバンの違いを、各性能や価格、販売台数などさまざまな観点から比較し、ご紹介していきます。
Contents
ハイエースとは
トヨタを代表するワンボックスカーのハイエースは、商用車だけでなくファミリーカーやキャンピングカーなど、さまざまな用途で使用されている人気車種です。
ハイエースは大きく3つの車種に分けることができます。
・バン
・ワゴン
・コミューター
商用車としての機能を搭載した「ハイエースバン」や、上質な車内空間や乗用車のような優れた乗り心地を持つ「ハイエースワゴン」、そして最大乗用定員14名を誇る「ハイエースコミューター」と、幅広いユーザーに応えられるようになっています。
また、ロングボディやハイルーフ仕様が選べるグレードもあり、ユーザーの用途によって最適な車種を選ぶことができるのも大きな魅力です。
ハイエースの種類についてはこちら
キャラバンとは
ハイエースと共に日本のワンボックスカーの中で長い歴史を持つキャラバンも、ビジネスやレジャーなどシーンを問わず活躍するモデルです。
2021年10月にはガソリンモデル、2022年3月にはディーゼルモデルと、次々にマイナーチェンジが施され、以後好調なセールスとなっています。
キャラバンの車種も、大きく3種類に分けられます。
・バン
・ワゴン
・マイクロバス
ボディサイズはロングボディやハイルーフ仕様も選ぶことができます。
カスタムパーツの種類も豊富に存在するため、ドレスアップをして楽しむ方も増えてきました。
ハイエースとキャラバン各車の違いを比較
ハイエースとキャラバンは一見すると大きな違いがないように思うかもしれません。
しかし、随所で両車の個性がしっかり現れています。
各車の違いをそれぞれの項目にわけてご紹介していきます。
車両寸法
ハイエース ワゴン(ロング) | ハイエース バン(ロング) | キャラバン ワゴン(ロング) | キャラバン バン(ロング) | |
全長 | 4,840mm | 4,695mm | 4,695mm | 4,695mm |
全幅 | 1,880mm | 1,695mm | 1,695mm | 1,695mm |
全高 | 2,105mm | 1,980mm | 1,990mm | 1,990mm |
数字上で見てみると、ハイエースバンとキャラバンの差はほとんどないと言えます。
また、ハイエースワゴンのみ、約10cmほど大きく設計されているのがわかります。
荷室寸法
ハイエース バン(スーパーGL) | キャラバン バン(ロング) | |
長さ | 3,000mm/1,855mm(全体/2列目使用時) | 3,050mm/1,960mm(全体/2列目使用時) |
幅 | 1,520mm | 1,520mm |
高さ | 1,320mm | 1,325mm |
荷室の広さでは、キャラバンの方が広いと言えます。
特に、2列目使用時の荷室の広さに関して、キャラバンの方が10cmほど長くなっています。
エンジン性能
ハイエース(ガソリン) | ハイエース(ディーゼル) | キャラバン(ガソリン) | キャラバン(ガソリン) | キャラバン(ディーゼル) | |
排気量(cc) | 2,693 | 2,754 | 1,998 | 2,488 | 2,439 |
最高出力(kW(PS)/r.p.m.) | 118(160)/5,200 | 111(151)/3,600 | 96(130)/5,600 | 108(147)/5,600 | 97(132)/3,250 |
最大トルク(N・m(kgf・m)/r.p.m. ) | 243(24.8)/4,000 | 300(30.6)/1,000〜3,400 | 178(18.1)/4,400 | 213(21.7)/4,400 | 370(37.7)/2,000 |
ハイエースとキャラバンでは排気量が異なるため数字上での判断は難しくなっています。
実際にエンジンの吹け上がりを比べてみると、ハイエースの方がフラットな吹け上がりで、キャラバンの方がトルクフルになっているようです。
燃費性能
ハイエース ワゴン(ガソリン) | ハイエース バン(ディーゼル) | キャラバン ワゴン(ガソリン) | キャラバン バン(ディーゼル) | |
WLTCモード | 8.8km/L | 12.4km/L | 8.9km/L | 11.3km/L |
JC08モード | 9.6km/L | 14.0km/L | 10.2km/L | 13.9km/L |
燃費性能に関しては、僅差ではあるものの、ガソリン車ではキャラバンの方が優れており、ディーゼル車ではハイエースの方が優れています。
ただし、燃費はシートの数や駆動方式の違いによって多少前後するため、数値がはっきりその車の燃費だとは言い切れません。
操作性
操作性は、ハンドルを切った際に運転手の思った方向を向いてくれるかが判断基準となります。
両車の最小回転半径を見てみると、
・ハイエース(ロング)・・・5.2mm〜5.4mm
・キャラバン(ロング)・・・5.2mm〜5.7mm
と、ほぼ同じ性能となっていることがわかります。
一般的には最小回転半径5m以内であれば小回りが効く車だと言われていますが、大型のワンボックスボディを持つ両車が最小回転半径が5.2mというのは、かなり優れていると考えられます。
また、両車フロントタイヤの位置が運転席よりも後方にあるため、ハンドルを目一杯切り込むと、予想以上に曲がってくれることが体感できます。
カスタムパーツ
カスタムパーツの種類はハイエースの方が多くなっています。
なぜならハイエースは商用車としての実用性やキャンプなどのアウトドア志向、デザインにこだわりを持つ方など、幅広いユーザーがいるからです。
エアロの装着や車高の調整、お洒落な内装など、幅広いパーツ展開となっています。
もちろんキャラバンにもハイエース同様のカスタムパーツは存在しますが、種類の多さで比べると、ハイエースの方が圧倒的に多いと言えます。
ネームバリュー
ネームバリューで考えると、圧倒的にハイエースに軍配が上がります。
また、ハイエースは早い段階から海外へと進出したため、日本以外でも高い人気があります。
ネームバリューの違いは、次項でご紹介する売れ行きにも直結しています。
ハイエースとキャラバンどちらが売れているの?
ハイエースの新車販売台数は、次のようになっています。
・2019年・・・約9万3,00台
・2020年・・・約7万8,000台
一方キャラバンの販売台数は、
・2019年・・・約2万5,000台
・2020年・・・約2万台
となっており、ハイエースの方が3倍以上の売り上げとなっています。
また、両車のように汎用性に優れたワンボックスタイプはほかに存在しないため、この2台で販売台数をほぼ独占している形となります。
ちなみに、キャラバンは直近のマイナーチェンジによって「インテリジェントルームミラー」などの先進技術を搭載し、ハイエースとの差別化を図ることで、巻き返しを狙っています。
ハイエースとキャラバンの価格相場
ハイエースとキャラバンの新車価格は、次のようになっています。
・ハイエース ワゴン・・・290万3,600円〜403万9,100円
・ハイエース バン・・・239万2,100円〜349万1,200円
・キャラバン ワゴン・・・310万9,700円〜411万7,300円
・キャラバン バン・・・242万6,600円〜452万3,200円
新車販売価格の数値だけで考えると、ハイエースの方が若干価格が安いと捉えることができます。
しかし実施のところは、オプションや装備の装着に帳消しになってしまうほどの僅かな差しかありません。
しかし、中古車の価格相場で考えると、ハイエースの方が圧倒的に高いと言えます。
下記の価格相場は、WEB上の外部サイトより参照しております。
・ハイエース ワゴン・・・384.8万円
・ハイエース バン・・・295.7万円
・キャラバン ワゴン・・・194.4万円
・キャラバン バン・・・190.5万円
もちろんあくまで平均相場であるため、一概に言い切ることはできませんが、相場にこれだけ大きくの差があるのは、やはりハイエースの方が国内外問わず需要が高いからだと言えるでしょう。
結局ハイエースとキャラバンどちらがいいの?
ハイエースというブランドを手に入れたいと考えていたり、購入後にカスタムを楽しんだり、手放す際のリセールまで考えていたりすれば、間違いなくハイエースだと言えます。
反対に、機能性や安全性能が充実した車に乗りたいと考えているのであれば、近年マイナーチェンジが行われたキャラバンがおすすめです。
まとめ
ハイエースとキャラバンの違いについてさまざまな観点からご紹介してきました。
性能面や使い勝手で考えると両車の優劣はほとんどありませんが、市場でのブランドイメージや需要で考えると、間違いなくハイエースの方に軍配が上がると言えます。
また、リセールまで考えるとハイエースの方が良いとも考えられます。
一方、中古車での購入となると、値段が高くて手が届かないというデメリットも考えられるため、新車での購入を考えているのであれば、最新装備が充実しているキャラバンを選ぶのもいいかもしれません。
このように、両車ともメリット・デメリットが存在するため、今回ご紹介した内容を参考に、十分検討するようにしましょう。