ハイエースをリフトアップするメリット・デメリット|車検の影響や構造変更についても解説

仕事やレジャーなど多彩な使い方ができるところが魅力のハイエースです。
最近では、見た目を重視する方が増えてきて、リフトアップに注目が集まっています。

しかし、リフトアップすることで、車検の影響や構造変更の必要性に対する不安も多いでしょう。
本記事では、リフトアップのメリットとデメリットを詳しく解説し、車検の影響や構造変更についても解説します。
さらに、リフトアップする際に注意したいポイントについてもお伝えします。

ハイエースのリフトアップを検討している方は、ぜひ最後までお読みいただき、あなたにとって最適な選択を見つけてください。

ハイエースをリフトアップするメリットとデメリット

ハイエースをリフトアップするか迷っている方に向けて、リフトアップするメリットとデメリットを紹介します。

メリット

メリットは以下の4つです。

  • ・車体が大きく見えて存在感が増す
    ・大きめのタイヤを取り付けられる
    ・悪路でも走行しやすくなる
    ・視界が良くなり運転がしやすくなる

それぞれ詳しく紹介します。

車体が大きく見えて存在感が増す

リフトアップは、車高が高くなるため車体が大きく見えます。

高さが上がるということは、それだけ存在感も増すため、周囲からも一目置かれる存在になるでしょう。

大きめのタイヤを取り付けられる

通常、ハイエースのタイヤは限られたものしか取り付けられません。

しかし、リフトアップをすることで、大きめのタイヤが取り付けられるようになります。
大きめのタイヤが取り付けられるようになると、運転時の安定感が増していくでしょう。

悪路でも走行しやすくなる

ハイエースのリフトアップは、車そのものの見た目を変えるだけでなく、運転時の影響も与えてくれます。

特に悪路を走行するときは、最低地上高が上がることで走破性が大幅にアップし、凹凸がある道でも安定して走れます。

林道や雪道はもちろん、震災や水害でも活躍できるでしょう。

視界が良くなり運転がしやすくなる

リフトアップして車高が上がった車は、視界がよくなり運転がしやすくなります。

ハイエースは、元々車高がある車です。
そのため、リフトアップすることでさらに視界が広がり、運転の快適さが向上します。

デメリット

デメリットは以下の4つです。

  • ・加速性能や制動力、燃費が悪くなる
    ・風の影響を受けやすくなる
    ・乗り降りしにくくなる
    ・リフトアップの高さによっては構造変更が必要

こちらも詳しく見ていきましょう。

加速性能や制動力、燃費が悪くなる

リフトアップすることにともなって、インチアップされる方も多いと思います。

インチアップはホイールを大きくさせることにもなるので、重量は重くなり、もちろん加速性能や燃費は悪くなります。
また、重量が重くなることで、ブレーキも効きにくくなるので、より運転に気を遣うことになるでしょう。

風の影響を受けやすくなる

車高のある車は、前面投影面積が増加するため、風の影響を受けやすくなります。

そのため、走行時の直進安定性や燃費の悪化に繋がる可能性があります。
特に高速道路や橋の上など、風を受けやすい場所では、車体があおられたり揺れたりすることが多くなりますので注意が必要です。

乗り降りしにくくなる

リフトアップは車高を上げることなので、乗り降りに大きく関係します。

ハイエースは元々車高がある車ですが、リフトアップするとさらに高くなり、それだけ乗り降りが大変になるでしょう。
特に小さい子どもなど、身長が低い方は誰かに補助してもらう必要があります。

リフトアップの高さによっては構造変更が必要

リフトアップは高さによって構造変更が必要です。

構造変更をしないままだと車検が通らなくなり、加えて罰則を課せられる可能性があります。
構造変更についてはこの後詳しく紹介しますが、ある一定の高さを越えると手続きが必要なことを覚えておきましょう。

ハイエースをリフトアップすると車検は通るの?

ハイエースのリストアップは、車の高さを変更することです。
車の高さを変えることは、場合によって車検に大きく影響してきます。

ここでは、ハイエースのリフトアップと車検の関係について紹介します。

1、3ナンバーは車検を通せる

ハイエースは一般的な車と異なり、車の区分を表す分類番号がいくつかあります。
その中でも1ナンバーの「普通貨物車」と3ナンバーの「普通乗用車」に限っては、リフトアップしても車検を通すことが可能です。

理由は、1、3ナンバーの条件が関係しています。

1、3ナンバーの条件は以下の通りです。

【1ナンバーの条件】

  • ・全長4,700mm×全幅1,700mm×全高2,000mm、排気量2,000ccのいずれかを超えること
    ・積載スペースが1平方m以上あること
    ・積載スペースが乗員スペースよりも広いこと
    ・最大乗員重量よりも積載重量のほうが大きいこと
    ・積載スペースの開口面積が800mm×800mm以上であること
    ・乗員設備と積載設備の間に隔壁または仕切りを備えてあること
    ・荷室スペースに備わる座席は折りたたみ式もしくは脱着式であること
    ・乗員スペースと積載スペース間を移動できないこと

【3ナンバーの条件】

  • ・全長4,700mm×全幅1,700mm×全高2,000mm、排気量2,000ccのいずれかを超えること

条件の中で特記すべき点は、車の全高です。
ハイエースの1、3ナンバーの車高は、元々2,000mmあります。

リフトアップにより、数センチ高くなったからといって、すでに2,000mmを超えているわけですから、車検の影響は一切ありません。

問題は次の4ナンバーの場合です。

4ナンバーはナンバー変更が必要になる

4ナンバーの場合は、条件が変更になる場合があるため、ナンバーも変更しなければならない可能性があります。

4ナンバーの条件は以下の通りです

【4ナンバーの条件】

  • ・車両が大きさが「全長4,700mm、全幅1,700mm、全高2,000mm、排気量2,000cc」以下(ディーゼル車は排気量の制限なし)
    ・貨物スペースの床面積が1㎡以上ある(軽自動車の場合は0.6㎡以上)
    ・座席の面積より荷物を載せる面積の方が広い
    定員まで乗車した時の重量より、荷物全体の重量が重いこと(乗員一人55kgとして計算)
    ・荷物の運び出し口は縦横80cm以上ある(軽自動車の場合は縦60cm以上、横80cm以上)
    ・貨物スペースと乗車席の間に仕切りがある

ここでも特記すべき点は、車の車高です。
4ナンバーの場合、車高が2,000mm以下でなければなりません。

つまり、リフトアップして2,000mmを超えた場合、4ナンバーの条件に当てはまらなくなるため、ナンバー変更が必要になるということです。
また、ナンバー変更しないと車検にも通らなくなるため、注意しましょう。

ハイエースをリストアップする際に注意したいポイント

ハイエースをリストアップするときに注意するべきことは、車検だけではありません。
いくつかの注意したいポイントがありますので、ここで確認しておきましょう。

納める税金が変わることがある

ナンバーが変わる可能性があることは先述した通りですが、ナンバーが変わると納める税金も変わってきます。

変わってくる税金は以下の通りです。

  • ・自賠責保険
    ・任意保険
    ・重量税
    ・自動車税
    ・車検費用・期間

4ナンバーから1ナンバーに変更になったとき、重量税と自動車税は倍以上の税金を納める必要があるため、覚えておきましょう。

40mmを超えた場合は構造変更が必要になる可能性がある

ハイエースの1と3ナンバーに関しては車検の影響を受けませんが、車の外寸や形状、重量が大きく変化するときは、構造変更が必要になる可能性があります。

構造変更とは、道路を安全に走行できるか、また車内のパーツに影響がないかを検査する手続きです。

構造変更が必要となる条件は以下の通りです。

  • ・車の外寸が±30mm以上変更されるとき
    ・車の幅が±20mm以上変更されるとき
    ・車の高さが±40mm以上変更されるとき
    ・検査対象軽自動車・小型自動車の重量が±50kg以上変更されるとき
    ・普通自動車・大型特殊自動車の重量が±100kg以上変更されるとき

参考:国土交通省「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて

ただし、以下のケースは40mmを超えても構造変更しなくても良いとされています。

  • ・簡易な取付方法により自動車部品を装着したとき
    ・指定部品を固定的取付方法により装着したとき
    ・指定部品を恒久的取付方法により装着した状態、又は、指定外部品を固定的取付方法若しくは恒久的取付方法により装着した状態において当該自動車の長さ、幅又は高さが自動車検査証に記載されている値に対して次表の範囲内に含まれるとき

参考:国土交通省「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて

ハイエースのリストアップに関していうと、高さが40mmを越える場合において、上記に当てはまらないケースは、構造変更が必要ということになります。

注意点としては、構造変更の手続きを行った時点で、車検の有効期間が残っていても無効になってしまうことです。
だからといって変更しないで乗り続けると、違反に当たってしまい刑罰に課せられる可能性もあるため注意しましょう。

記載変更で済む場合もある

先ほど説明した通り、構造変更は道路を安全に走行できるか、また車内のパーツに影響がないかを検査する手続きです。

しかし、リストアップにより複雑な改造でないときは、記載変更で済むケースもあります。

記載変更の条件は、車体や重量が一定範囲内の変更であること、該当部品を永続的に取り付けていないことなどが挙げられます。
また、条件はこちらが判断できるものでないため、必ず確認する必要があることを覚えておきましょう。

なお、構造変更との大きな違いは、車検の残存期間が有効であることです。

構造変更が必要になり手続きを行うと、いくら車検が残っていても無効になります。
反対に記載変更で済むなら、車検の有効期間まで乗ることが可能です。

19もしくは20インチのタイヤを取り付けると車検が通らない

ハイエースをリフトアップすると同時に、インチアップする方がほとんどだと思いますが、19もしくは20インチのタイヤを取り付けると、車検は通りません。

理由は、装着可能なタイヤサイズがないことと、走行時にトラブル発生する可能性があるからです。
19、20インチのタイヤは、荷重指数が合わない製品しかありません。
荷重指数が合わないということは、タイヤを安全に支えていると言えないため、トラブルの可能性が考えられるのです。

そのため、19、20インチのタイヤを取り付けることは、あまりおすすめできません。

リフトアップは専門店でするのがおすすめ

ここまで、ハイエースをリフトアップする際に注意すべきポイントを紹介してきましたが、「自分でするのは不安がある」と思う方もいるのではないでしょうか。

そういった方は、ハイエースをリフトアップできる専門店に依頼するのがおすすめです。
リフトアップ専門店であれば、安全にリフトアップすることに加えて、ハイエースにぴったりな専用パーツを取り扱っている可能性も高いです。

また、必要に応じてアドバイスも聞けるので安心できます。

まとめ

本記事では、ハイエースをリフトアップするメリットとデメリット、車検の影響や構造変更について解説しました。

ハイエースのリストアップは、存在感を高めたり運転のしやすかったり、豊富なメリットがあります。
一方、加速性能や燃費の低下、風の影響を受けやすいなどのデメリットも考慮する必要があります。

また、ナンバーや上げる高さによっては、ナンバー変更による車検の影響や構造変更が必要になることに注意しましょう。

今回紹介した内容を参考に、正しい知識を持ってハイエースのカスタムを楽しんでください。

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