ハイエースの車検費用はどれくらい?内訳やナンバー別にそれぞれ解説
自家用車と商業用車両方で活用できるハイエースは、幅広いユーザーから支持されています。
しかしハイエースは車体が大きく重量もあるため、他車と比べて維持費が高いというイメージがあります。
とくに維持費の中でも、まとまった金額が必要な「車検」となると、実際どれくらいかかるのか気になるところです。
そこで本記事では、ハイエースの車検に必要な費用の詳細や、少しでもお得に車検を受ける方法をご紹介していきます。
Contents
ハイエースの車検費用は2つに分けられる
ハイエースの車検費用は、大きく2種類に分けることができます。
・法定費用
・車検基本料
法定費用
法定費用は、車を維持する上で必ず納めなければいけない税金や自賠責保険のことです。
車検時にこれらの費用を納めなければ、その車を公道で運転することができなくなるため、必ず必要な費用だと言えるでしょう。
法定費用は排気量や車両重量、ナンバー区分によって細かく決められた一律金額であるため、値引きをすることはできません。
また、法定費用は、
・重量税
・自賠責保険料
・印紙代
の3つがあります。
重量税
重量税は、所有している車の重さや用途区分、経過年数によって納めなければいけない国税です。
重量税は、まず「自家用乗用車」と「軽自動車」で金額が異なり、ハイエースの場合は「自家用乗用車」に当てはまります。
また、車両重量が0.5トン単位で税金の金額が決められることに加え、新車登録から13年、18年経過時に税額が引き上がるようになっています。
3ナンバー(自家用車登録)の場合
経過年数 | 1年あたりの金額 |
新車〜12年目 | 4,100円/0.5トン |
13〜17年目 | 5,700円/0.5トン |
18年目〜 | 6,300円/0.5トン |
表にある計算は年間あたりの金額であるため、車検期間に応じて掛け算する必要があります。
たとえば「ハイエースワゴンGL」を新車で購入した場合、車両重量が1970kgであるため、
・年間の重量税・・・4,100円×4=16,400円
・1回目の車検時の重量税(3年)・・・16,400円×3年=49,200円
・2回目以降の車検時の重量税(2年)・・・16,400円×2年=32,800円
となります。
また、1・4ナンバー(貨物車登録)の場合は、以下の金額区分となります。
1ナンバー(普通貨物車登録)の場合
重量 | 1年あたりの金額 |
〜2トン | 16,400円 |
〜2.5トン | 20,500円 |
4ナンバー(軽貨物車登録)の場合
重量 | 1年あたりの金額 |
〜2トン | 6,600円 |
〜2.5トン | 9,900円 |
自賠責保険料
自賠責保険は車の所有者に加入が義務づけられている損害保険となります。
万が一のときに被害者へ最低限の補償を賄うための保険であるため、保険が切れたまま走行すると違反となります。
ハイエースの場合の保険料は、以下の通りとなります。
車種 | 12ヶ月 | 24ヶ月 | 36ヶ月 |
3ナンバー(自家用車登録) | 12,700円 | 20,010円 | 27,180円 |
1ナンバー(自家用) | 19,120円 | 32,730円 | ー |
4ナンバー(自家用) | 14,280円 | 23,150円 | ー |
※1・4ナンバーの自賠責保険の最長期間は25ヶ月となります。
印紙代
印紙代は、新しい車検証の発行や、公的機関での検査を受けるときに必要な手数料の費用のことです。
国や地方自治体に納める手数料になるため「印紙代」と呼ばれています。
ハイエースの車検時に必要な印紙代は、次の通りです。
車検場所 | 印紙代 | 証紙代 |
指定工場 | 1,200円 | ー※証紙代は不要 |
認定工場 | 400円 | 1,200円 |
車検基本料
車検基本料は、実際に車検を受けるときに必要な費用のことを言い、大きく2つに分けることができます。
・検査手数料
・部品代
検査手数料や部品代は業者によって異なります。
車検費用を少しでも抑えたい方は、こちらの部分を吟味して車検業者を決めることになります。
検査手数料
業者は決められた検査項目の点検をしたり、車検に必要な事務手続きを代行したりするため、人件費が必要になります。
検査手数料は、この人件費になります。
ハイエースの一般的な検査手数料の相場は、10,000円〜20,000円となります。
部品代
車検に通らない部品は、交換する必要があるため、部品代が別途で必要になります。
・ヘッドライトの光量不足・・・電球交換
・タイヤの摩耗・・・タイヤ交換
・シャフトブーツの破れ・・・ブーツの交換
また、整備工場でこれらの作業を行うと、作業手数料も必要になります。
当然ながら、工数がかかる部品の交換となると、思わぬ出費に繋がることもあるため、注意が必要です。
ナンバー別ハイエースの車検費用相場
次に、実際車検にはどれくらいの費用がかかるのかについてご紹介します。
※検査手数料は平均値の15,000円、部品代は5,000円、印紙代は1,600円で統一します。
3ナンバー(自家用車登録)
内訳 | 車検費用(2年) |
重量税 | 32,800円 |
自賠責保険料 | 20,010円 |
印紙代 | 1,600円 |
検査手数料 | 15,000円 |
部品代 | 5,000円 |
合計 | 74,410円 |
1ナンバー(普通貨物車登録)
内訳 | 車検費用(1年) |
重量税 | 16,400円 |
自賠責保険料 | 19,120円 |
印紙代 | 1,600円 |
検査手数料 | 15,000円 |
部品代 | 5,000円 |
合計 | 57,120円 |
4ナンバー(小型貨物車登録)
内訳 | 車検費用(1年) |
重量税 | 6,600円 |
自賠責保険料 | 14,280円 |
印紙代 | 1,600円 |
検査手数料 | 15,000円 |
部品代 | 5,000円 |
合計 | 42,480円 |
ハイエースの車検費用の比較
3ナンバー(2年車検) | 1ナンバー(1年車検) | 4ナンバー(1年車検) | |
重量税 | 32,800円 | 16,400円 | 6,600円 |
自賠責保険料 | 20,010円 | 19,120円 | 14,280円 |
印紙代 | 1,600円 | 1,600円 | 1,600円 |
検査手数料 | 15,000円 | 15,000円 | 15,000円 |
部品代 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
合計 | 74,410円 | 57,120円 | 42,480円 |
車検費用によって差が出る理由とは?
車検費用によって差が出るのは、重量税や自賠責保険料の違いがあるからだと言えるでしょう。
たとえば同じハイエースでも、4ナンバーに登録することで、重量税を大幅に抑えることができます。
ただし、車検期間の違いによって検査手数料や部品代も変わってくるため、一概に「このナンバー登録をすればお得だ」と言い切ることはできません。
また、今回の表では検査手数料や部品代が一律としていますが、お店によってこの価格が大きく変わります。
割引キャンペーンをしているところもあれば、格安料金で車検を実施しているところも存在するため、車検を受ける前には十分な比較検討が必要です。
ハイエースはナンバーによって車検期間が異なる
前項の車検期間の比較でお気付きのように、ハイエースはナンバーによって車検期間が異なります。
3ナンバーのハイエースは乗用車登録となるため、新車からの初回車検は3年、以降は2年毎。
また、貨物登録の1・4ナンバーのハイエースは初回車検は2年、以降は1年毎となります。
ハイエースの車検が受けられるところ
ハイエースの車検が受けられるところは、
・販売店/ディーラー
・ガソリンスタンド
・カー用品店
・整備工場
の4つがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
販売店/ディーラー
販売店やディーラーで車検を受けると、質の高いメンテナンスを受けることができます。
また、独自で点検項目を設けており、不具合が見つかったところは車検の際に直してくれるため、安心して車に乗り続けることができます。
検査手数料は少々高めですが、信頼した業者に任せたいと考えている方には最もおすすめだと言えるでしょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも車検が受けられます。
ガソリンスタンドのメリットは、検査手数料が安いことがあげられます。
ディーラーよりも数千円〜数万円単位で費用を抑えることができるため、少しでも車検費用を抑えたいと考えている方におすすめです。
また、ガソリンスタンドは多くの地域に点在しているため、自宅近くで車検を済ませてしまいたいと考えている方にも向いています。
カー用品店
オートバックスなどのカー用品店でも車検を受けることができます。
カー用品店は交換パーツが豊富に揃っているため、車検時に交換してもらうことも可能です。
また、スピード車検を実施しているお店もたくさんあるため、スピーディーに車検を済ましてしまいたい方におすすめです。
整備工場
民間の整備工場でも車検を行ってくれます。
業者によっては検査手数料を値引きしてくれたり、交換が必要な部品をサービスで行ってくれたり、駆け込みの車検に対応してくれたりと、臨機応変に対応してくれるところも存在します。
もし近くに整備工場があれば、一度相談してみるとよいでしょう。
ハイエースの車検費用を抑える方法
ここからは、少しでも車検費用を抑える方法について解説していきます。
定期的にメンテナンスをして部品交換費用を抑える
法定費用は一律で決まっているため費用を抑えることはできませんが、検査手数料や部品代を極力抑えることは可能です。
車検を通す際には、ある程度メンテナンスをしなければいけませんが、メンテナンス項目が多ければ、当然交換部品の代金や手数料が重なります。
しかし定期的にメンテナンスを行っていれば、車検のときに交換部品が必要なくなるため、その分費用を抑えることができます。
車検を通すために必要な部品以外は交換しない
お店によっては車検時のメンテナンスを行う際に、さまざまな交換部品を進めてくることもあります。
また、同じ部品交換でも、グレードの高いものであったり、売れ筋商品を勧めてくることもあります。
少しでも車検費用を抑えたいと考えているのであれば、車検に通る通らないも確認しながら部品を選びましょう。
ハイエースをユーザー車検にするとどれくらい費用が抑えられるの?
ユーザー車検にすると、検査手数料が丸々不要となるため、10,000円〜20,000円ほどの費用を節約することができます。
また、部品交換も不要であれば、更に費用を抑えることも可能です。
ただし、検査レーンに合格することができず、近くの整備工場でメンテナンスしてもらうとなると、その分手数料や部品代が必要になるため、お店に依頼するときと金額が変わらないなんてこともあります。
そのため、自分でメンテナンスできる方や、検査レーンを問題なく通すことができる車両である場合のみ実施することをおすすめします。
ハイエースを車検に出す際の注意点
最後に、ハイエースを車検に出す際の注意点をご紹介します。
運転席と荷室に仕切り棒が必要
貨物車登録をしているハイエースは運転席と荷室の間に仕切り棒がなければ車検に通すことができません。
仕切り棒自体に指定はありませんので、もし車検時に付いていなければ、ホームセンターなどで購入したものを臨時でつけるようにしましょう。
車高が9センチ以上あるか
ローダウンなどで車高を下げているハイエースを車検に通すときは、車高が9センチ以上あるかどうかも確認する必要があります。
マフラーやリアデフなど出っ張った部分も含め、最も低いところが地上から9センチ以上ある必要があります。
まとめ
ハイエースの車検金額について詳しくご紹介しました。
ハイエースの車検費用は一般的な乗用車と比べて高めの傾向があります。
しかし、車検時の交換部品をなくすために日頃からメンテナンスを行っていたり、ユーザー車検を選択したりすることで、車検に必要な費用を抑えることができます。
今回ご紹介した金額や、車検費用を抑える方法を参考に、ぜひお得に車検を受けてみてください。